花きりんのブログ

滋賀県大津市で就労継続支援B型をしています「花きりん」です。日々の活動やメンバー、スタッフ共に今社会で何が起こっているのかの学び合いをしています。ホームページは、https://hanakirin20150401.wixsite.com/my-site

カナダ、対中を意識したインド太平洋戦略!!

 こんにちは!両津です!

 

 今回は、カナダが発表したインド太平洋戦略についてです。

 

 カナダ政府が27日にアジアを中心とするインド太平洋地域での経済・外交の包括的な新戦略を発表しました。

 

 この新戦略の策定で強く意識したのは経済・軍事両面で存在感を高め世界で影響力を強める中国に対抗する為でカナダは「中国はますます破壊的でグローバルな力を持つ様になった」「国際的な規範に挑戦を続けている」と語りミサイル発射を続ける北朝鮮と共に日本、韓国など友好国が直面する安全保障上の脅威になっていると認識を示し、中国がカナダの選挙に干渉している疑惑もあり警戒感が高まっています。

 

 カナダは中国と経済面で協力関係を築いていましたが201812月にカナダ当局が中国のファーウェイの会長を拘束した為、中国当局がその後すぐにカナダ人2人を拘束し報復措置と受け止めが広がり21年に会長は釈放され、カナダ人も拘束を解かれましたが溝が出来たままになりました。

 

 新戦略の内容としては日本、韓国、東南アジア諸国と貿易や気候変動対応などで連携を深めつつアジアの経済成長を取り込むと共に、自国や同地域の安全保障の強化に繋げる事が目標になりその中に柱となるのが幾つかあります。

 

 その一つに経済分野での協力で「インド太平洋地域は世界で最も急速に経済が成長している」認識のもと、この地域での投資、貿易の拡大でカナダの成長力を高める為、今後10年間の枠組みの中で最初の5年間で23カナダドル(2400億円)の投資を実施、日本・韓国・インド・台湾など優先的と位置付ける友好国・地域とはカナダに豊富な天然資源の取引を増やします。

 

 もう一つは平和・安全保障の確保に向けた取り組みで具体的にはインド太平洋地域におけるカナダ海軍の存在感を高め、軍事演習への参加回数を増やす、情報収集など国家安全保障を担う機関の能力を高め同盟国との連携を強化、友好国のサイバー攻撃への防御力向上の支援です。

 

 他にも高品質で持続可能なインフラ整備、気候変動による損害を減らす取り組みの支援、インドのニューデリーやフィリピンのマニラなどでピザ(査証)の処理能力を高めたり、アジアなどからの留学生の受け入れを拡大したり人的な交流、投資を活発にします。

 

 その中でも特に日本や台湾を重要視しており、日本については、インド太平洋地域で唯一のG7パートナー国であり、また「最も重要な商業面の友好国の一つ」として、日本向けの資源輸出の拡大に期待をにじませ、日本企業ではパナソニックホールディングスの子会社が電気自動車(EV)向けの電池材料の黒鉛をカナダ企業から調達する交渉を進めていて、こうした動きが広がる可能性があります。

 

 他には安全保障上の機密情報を共有しやくする「情報保護協定」の締結交渉などを通じて協力関係を深め、2023年にG7の議長国を務める事を踏まえ、中国を念頭に「法に基づく国際秩序づくり」などで緊密に連携する考えを示しています。

 

 それに対して日本は、松野官房長官が「カナダにとって初めてとなるインド太平洋戦略であり、インド太平洋地域への強い関与を示す物として日本としても歓迎する」と述べ、先月「自由で開かれたインド太平洋」にも資する「日加アクションプラン」を公表した事に触れカナダとの連携をより一層強化して行く考えを強調しました。

 

 台湾は連携及び台湾海峡の平和、安全維持を重視し積極的に資源を投入してインド太平洋地域における自由民主のパートナーとの連携強化に注力する為に多面的な交流を深め、経済貿易・化学技術・サプライチェーン・公衆衛生・民主的ガバナンス及びフェイクニュース対策などの分野で連携を深めていく方針を明らかにしました。

 

 台湾とカナダは理念の近いパートナーで自由民主の価値を共有して、ルールに基づく国際秩序を共同で守り抜こうとしており、近年は「グローバル協力訓練枠組み(GCTF)」を通じて様々な世界の課題解決についても協力してこうとしています。

 

 カナダは今年5月、米欧と足並みを揃える形で次世代通信規格5Gからファーウェイなど中国大手製品を排除すると発表、10月にはカナダの鉱物資源に海外の国営企業が投資する場合は厳しく審査するという指針を提示、これに基づき中国系企業3社に鉱物資源を扱うカナダ企業への投資を引き揚げる様に命じ、米国が主導するIPEFへの参加を目指す事も表明しています。

 

 対中関係について強硬姿勢一辺倒ではなく、必要な部分では協調する立場も示していますが、経済・外交の軸足は各国との連携を通じて中国にどう対抗するかに移しつつあります。

 

 中国はこれに対して脅威を誇張している、強烈に不満で断固反対だと強く非難しています。

 

 中国に対抗しようとする国が増えてきていますが昨日、江沢民国家主席が亡くなり習近平国家主席にとって自らを牽制する有力者の1人が減った事で権力基盤が更に強化されていくと思われるので中国や他にもロシア、北朝鮮の動きを見つつどう対抗していくのか注目して行こうと思います。

 担当者 両津