こんにちは、パインです。
7月1日、奈良県立医科大学が『人工血液』の開発に成功したと発表しました。実用化されれば世界初となる可能性が高いとのことで、注目を集めています。
今回開発された『人工赤血球製剤』は人の血液の代わりとして機能する、酸素を運搬する製剤です。
これは保存期限が切れて廃棄せざるを得ない献血からヘモグロビンだけを抽出、それを脂質の膜で包みカプセル状にすることで、血管に流せる人工血液とする、とのこと。
血液型を問わずに誰にでも投与できるという特徴を有しており、保存期限も通常の献血が冷蔵で4週間程度に対し『人工赤血球製剤』は室温で2年間、冷蔵すると5年保たせることができるらしいです。
日本はここ20年間の献血人数が横ばいで、それも同じ人が何度も足を運ぶことで状況が支えられている状況です。恥ずかしながら自分は献血に行ったことがありません。
実際に若者の献血離れは進んでおり、それに加えて保存期限の問題から貴重な献血を廃棄せざるを得ない現状です。
それだけに人工血液に向けられる期待は大きいです。
たとえば災害や事故が起きて多くの人が輸血を必要とする状況では、血液型に左右されない『人工赤血球製剤』は迅速な対応に貢献します。とりあえず沢山の『人工赤血球製剤』を持っていけばいいわけなので、より多くの人を助けることにも繋がります。
保存期限が長いため、血液備蓄拠点のない田舎でも存在感を発揮するでしょう。
従来廃棄されていた血液を再利用する形になるので、献血人数が大幅に増えなくても実質的に得られる血液量が増えるのも大きいです。
もちろん、献血人数は増やしていかなければなりません。自分も忘れないうちに実行に移したいと思います。
現在は健康な人で臨床試験をしている段階で、そこから患者への臨床試験を行い、2030年には承認申請を目指す予定らしいです。
今回『人工赤血球製剤』を発表した奈良県立医科大学以外にも、血液型のない人工血液を研究している所は多々あります。
近い将来、人工血液が世界中の医療現場で使われる日が来るかもしれません。