花きりんのブログ

滋賀県大津市で就労継続支援B型をしています「花きりん」です。日々の活動やメンバー、スタッフ共に今社会で何が起こっているのかの学び合いをしています。ホームページは、https://hanakirin20150401.wixsite.com/my-site

日銀はどこへ向かうのか

こんばんは。暖かい週末から一転、明日からまた寒くなるようですね。寒暖差に体がついていかないとしんどいかもしれませんね。

 

さて、今日は、先週末に報道された日銀次期総裁の件について触れようと思います。

 

岸田総理は、日銀の元審議委員で経済学者である植田和男氏を、日銀次期総裁に起用する意向を固めた、との報道がなされました。正式には明日、国会に提示されるそうですが、これに先立って植田氏は、先週金曜の夜の記者団に対し、「今の日銀の政策は適切である、現状の金融緩和を継続することが必要だ」という発言をしました。

 

まだ正式には決まってはいないにも関わらず、植田氏が現総裁の施策を肯定する発言をした背景には、日銀次期総裁が異次元の金融緩和を終わらせて金融引き締めに方針転換するのではないか、という市場の動きをけん制する狙いがあるのではないかと思われます。

実際、昨年末、長期金利の変動幅の上限を0.25%広げただけで、すわ金融引き締めだ、と市場が反応していました。それだけ、市場は金融緩和の解除を待ち望んでいるということになります。

 

その空気に早くもくぎを刺した、次期総裁(予定)の植田氏ですが、これまで財務省または日銀の出身者が総裁になることが多かった中では異例の学者です。

これには市場も予想外だったようでした。事前の報道では、雨宮副総裁が最有力候補で(打診があったとの報道もありましたが)、その他にも中曽前副総裁、山口元副総裁などの名前も挙がっていて、植田氏は名前さえ挙がっていなかったため、海外では「植田って誰だ?」と騒ぎになったという報道もあったくらい意外な人事だったようです。

 

植田氏は、東大理学部(理系ですね!)卒業後、マサチューセッツ工科大学(かの有名なMITですね!)大学院などで研究活動に取り組んだ後、1993年から東大経済学部教授となり、1998年から7年間は日銀の審議委員を務めました。その間、1999年のゼロ金利政策、2001年の量的緩和政策の導入を、理論面で支えました。任期終了後は再び東大経済学部に戻り、学者、教授として活躍する一方、2008年には、人口が減っていく日本の今後の成長戦略を謳った、21世紀版「前川リポート」をまとめたり、日本政策投資銀行社外取締役や日銀金融研究所の特別顧問など、幅広い活動をしています。

そんな植田氏に加え、副総裁として岸田総理が挙げたのが、氷見野良三氏(前金融庁長官)と内田眞一氏(日銀理事)です。氷見野氏は国際派で、内田氏は今の大規模緩和施策の策定に携わりました。

この3人を中心としたチーム植田の、今の時点での評価は、バランス重視で手堅く施策を進めるだろう、というものが多いようです。

ただ、まだ就任前ですので、評価すること自体が時期尚早、という意見も多くみられていて、市場は様子を見ていくと思われます。

 

10年の任期中、黒田総裁が続けた異次元の金融緩和は、円高修正、株高進行、消費者物価指数上昇率もマイナスからプラスへ転じる、など、一定の効果がみられていますが、賃金上昇を伴う2%の物価上昇という目標は達成できず、国債の大量購入を続けたことで市場のゆがみが大きくなっています。

この1年は、コロナ禍に加えてロシアのウクライナ侵攻、という、経済だけでなく世界全体を揺るがす大きな波が襲っています。

その中で、新しい総裁となるだろう植田氏が,どのように舵を切って日銀を、日本経済を進めて、この大波を乗り切るのか、期待と不安の入り混じった目で見極めていきたいと思います。

 

国会の動きも気になる、気球も気になる、チャリ通の爺、でした。