こんにちは!両津です!
今回は、北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記とロシアのプーチン大統領がそれぞれ首脳会議が行われるかもしれないアムール州の宇宙基地に向かっている事についてです。
北朝鮮は、金正恩総書記が近くロシアを訪問し、プーチン大統領と会談を行うと11日、国営メディアを通じて発表していて、金正恩総書記とプーチン大統領の会談は2019年4月以来の4年ぶりで2回目となります。
北朝鮮の発表では、具体的な日程や場所は明らかにされていませんが、プーチン大統領が、12日に極東のウラジオストクで開かれている国際経済会議で極東のボストチヌイ宇宙基地を訪問する予定だと発言していて、「私はそこでしかるべき予定がある。私が到着すればわかるだろう」と答えています。
そして金正恩総書記も専用列車に乗ってロシアに入りをしていて、総書記が乗った専用列車が走行する路線が宇宙基地のあるアムール州に繋がっていて、双方による首脳会談が宇宙基地で行われるのか関心が集まっています。
北朝鮮とロシアは、最近になり急接近していて去年5月、北朝鮮の相次ぐ弾道ミサイルの発射を受けて、国連の安全保障理事会で北朝鮮に対する制裁を強化する決議案の採決が行われましたがロシアは、中国とともに拒否権を行使し、決議案は否決され2006年以降、採択が続けられてきた中で拒否権によって否決されたのは、初めてとなります。
その後も、ロシアは中国とともに北朝鮮を擁護する姿勢を示すなど、北朝鮮の立場に理解を示す動きを強めていました。
そして今回行われる首脳会議の議題については、北朝鮮の国営メディアが公開した写真から、外相や軍トップ、武器担当機関の上級幹部が同行していることが確認されていて、弾薬の供与などの軍人分野での協力を協議すると見られます。
ロシア側は、18ヶ月に及ぶウクライナ侵略で大量に消費した弾薬などの備蓄を増やす必要性がありましたが、調達するにも制裁などで出来ず水面下で同じく経済制裁下のイランから無人機を北朝鮮から兵器の供与を受けてしていました。
そして今回、首脳会議を契機に兵器供与を拡大する可能性が高く、露製兵器は旧ソ連の兵器を使用してきた北朝鮮の兵器と互換性があるので提供してもらい長期間するウクライナ侵略での継戦能力の向上に繋げたい考えだと思います。
一方、北朝鮮側はその見返りに「国防5か年計画」で初めての保有を掲げる、軍事偵察衛星や原子力潜水艦などの開発に必要となる軍事的な先端技術の支援などを取り付けたい考えとみられます。
北朝鮮は5カ年計画で「軍事衛星」の開発を掲げるも、今年2回、打ち上げに失敗していて、原子力潜水艦の建造も北朝鮮の技術力だけでは容易でない為、先端技術の支援を求めるのではないかという見方が出ています。
他にもGDP=国内総生産は、長引く経済制裁や新型コロナウイルスの影響などで去年まで3年連続でマイナス成長だったと、韓国の中央銀行が推計していて、北朝鮮としては、最大の貿易相手国である中国への過度な依存を避ける上でも、ロシア側から食料支援やロシア占領地域での北朝鮮労働者を受け入れてもらい外貨を稼ぐなどの経済協力を取りつける狙いもありそうです。
しかし武器取引や労働者受け入れなどは、北朝鮮への制裁として2017年に国連安全保障理事会議が禁止していて、いずれもロシアが賛成票を入れた国連安保決議に違反する行為ですがウクライナ侵略を継続する為になりふりかまわずになっています。
北朝鮮も、技術支援を受けられれば軍人衛星や原子力潜水艦だけでなく測位システム(グロナス)を使って巡航ミサイルの命中精度を上げようとするので、もしそうなると日本も脅威になるのでどうにかして押さえていかないと危険だと思いました。
担当者 両津