花きりんのブログ

滋賀県大津市で就労継続支援B型をしています「花きりん」です。日々の活動やメンバー、スタッフ共に今社会で何が起こっているのかの学び合いをしています。ホームページは、https://hanakirin20150401.wixsite.com/my-site

最高裁判所の判断について

こんにちはTです

今回は日本の最高裁判所性同一性障害特例法で定められていた性別変更の手術要件について違憲という判断を下した話題について書きます

先に書いておきますがこれはかなり難しい問題について書くので、様々な意見や考えがあるという前提で自分の考えを書きます

 

性同一性障害特例法では心と身体的特徴が一致しない性同一性障害の方が性別を変更する際にいくつかの条件を明記した法案です

まずこの法律で定められた性同一性障害者というものはその診断に必要な知識と経験を持った二人以上の医師による診断を受けていることが前提とされており、自己申告などで容易に認定されるものではありません

そしてこの性同一性障害特例法では戸籍上の性別を変更するにあたって以下の条件を満たすことを求めています

一 18歳以上であること

二 現在結婚していないこと

三 子供がいないこと

四 元々備わっていた生殖能力を失っていること

五 変更した戸籍上の性別に似た身体的な特徴を持っていること

 

今まではこの5つの条件を満たすことが求められてきたのですが、今回は四,五の条件について訴えが起こされていました

四の条件である元々備わっていた生殖能力を失っている状態とは手術により生殖能力を失っている状態にしなくてはいけないのですが、そのための手術による肉体的、精神的負担や保険適用外である手術の金銭的負担が必要になります

五の条件である変更した戸籍上の性別に似た身体的特徴を持っていることも、手術により外性器を作ることになるため四と同じ負担が存在しています

そして今回の訴えではこれらの性別変更手術を受けなくても戸籍上の性別を変更することを求めていました

 

最高裁判所の下した判断では四の元々備わっていた生殖能力を失っている状態を求める条件に付いて人権侵害のため違憲という判断を示し、五の条件については必要な議論が尽くされていないとして最高裁判所から高等裁判所に戻して判決を出すことを求めました

この判決は最高裁判所の判事である15人が四の条件について全会一致で違憲という判断を下し、五の条件も3人の判事は違憲という判断を下したようです

この判決について現在、様々な立場から色んな意見が発せられており議論を呼んでいるので、それらを紹介して最後に自分の考えを書きます

 

まず性同一性障害の方を支援する団体などからは判決について概ね称賛の声が上がっておりこの判決を歓迎しています

ただ性同一性障害特例法を守る会という性同一性障害の方々で作られた団体は反対の立場をとっており、この方々は心と身体的特徴の不一致で悩む方のための法律であるため手術は必要であるという立場をとっており、またそれを行う事が社会に混乱を生まないための約束であるとしています

この社会に混乱をもたらす理由とは主に公衆浴場や公衆トイレなどの問題につながることであり、この判決に対して多くの批判が寄せられている点でもあります

 

現在の日本では女性用の公衆浴場やトイレなどに男性が入り通報されると捕まりますが、これは身体的特徴が男性である人間が入ると捕まる理屈になっています

ですが最高裁判所が下した判決では身体的特徴が男性である状態でも心が女性であると認められた場合はその方を女性として扱わなければいけず、そうすると女性用の公衆浴場などに身体的特徴が男性である女性が入ってきた場合にその方が女性であると主張したらどうするべきなのかが分からなくなります

また海外などで実際に起きている性同一性障害者を偽った性犯罪者による加害問題についての懸念もあります

これらの点について判決を下した最高裁判所の判事は性同一性障害の方が少ないことに加えてそのような事態は極めてまれであるという判断をしたようです

 

ここからは自分の考えを書きます

まず自分はこの問題について性同一性障害特例法を守る会の方と似た意見を持っています

確かに手術を強要することは健康な体を害する行為である上に保険も適用されないため、手術を受けなくても性別を変更できるようにすべきという意見は分かります

ただ現実的な問題としてそれを認めてしまうと他人の目からは見えない心によって性別を変更して社会はそれを許容していくことになるのですが、多くの女性が反対の声を上げていることにもある通り、利用者の外見的特徴が女性のみであることで安全が確保されてきた公共施設などをどうするかの問題がでてきます

最高裁判所の判断が出たことによって今後は性同一性障害特例法も見直されることになると思いますが、自分は女性用、男性用の空間は身体的特徴によって利用を制限すべきだと思います

 

またこの問題について調べながら思ったこととしては反対の意見を述べることが、ある種の差別主義者というレッテルを張られることになり、マスコミや著名人ほど反対の意見を言えない空気を感じます

そして今後、性同一性障害者を偽った性犯罪者の事件が出てきた場合は逆に性同一性障害の方に対する偏見がかえって強まるのではないかと思います

 

正直なことを言うと精神疾患を持つ自分が抱いた妄想などは心の病となるのに、性自認については当事者に対して最大限の配慮を求められるのも不思議な気がします