花きりんのブログ

滋賀県大津市で就労継続支援B型をしています「花きりん」です。日々の活動やメンバー、スタッフ共に今社会で何が起こっているのかの学び合いをしています。ホームページは、https://hanakirin20150401.wixsite.com/my-site

震災から考える日本の水道インフラについて

本日から花きりんブログに参加させて頂きますクマ子です!
これからどうぞよろしくお願いします。

今日は日本の水道インフラについて記事を書いてみたいと思います。
今年元日に発生した能登半島地震では建物の損壊の他、大規模な断水が起こりました。
被害の大きかった石川県では、一時最大約11万3000戸が断水。
政府は3月末の全戸水道復旧を目指すとしましたが、5/1時点で未だ輪島市珠洲市能登町の約3780戸で断水が続いています。
仮に被災した家がどうにか住める状態を保てていたとしても、4ヶ月も断水が続くと給水車等を利用したとしても生活を続けることは相当厳しいでしょう。

なぜここまでの断水が発生し、更に復旧が遅れているのでしょうか?

まず大きな要因は水道管の老朽化です。石川県の水道管の耐震化率はわずか36%で、ほとんどの地域の水道管が地震に備えた作りになっていなかったことが分かります。
また、今回の震災では主要浄水場が多数被災し、下流の送水管、配水池、配水管も相当のダメージを受けた地域が多く、
樹木状に水道管が広がる地域では、その大元の部分が破損したせいで地域全てが断水するという状況が起きました。

こんなに多くの水道管が破損すると、当然復旧に時間がかかります。
更に上記で述べたように樹木状に水道管が広がる地域では、大元の水道管から完璧に直していかないといわゆる下流地域まで水が届きません。更に倒壊した家屋や道路が復旧の妨げになる場合もあります。
また復旧作業に当たる時期が冬であった為、雪が積もり止水栓の場所が見えなくなるとまずは除雪を行う必要があり、円滑に作業が進まなくなる要因となりました。

さて、記事をここで終わらせると『石川県大変やなぁ』という感想で終わってしまいますが、そもそも石川県が特別水道インフラに弱かったのか、自分達の暮らす県はどうなのか疑問が湧きます。
ここで、日本全体に目を向けたいと思います。

先ほど石川県の水道管の耐震率は36%と記載しました。
では日本全体ではどうなのでしょう? 
日本の全国平均の水道管の耐震適合率は、なんと42.3%!半分にも届きません。50%を超えている県は神奈川県、東京都、千葉県のみです。
ちなみに滋賀県は31.9%で、石川県を下回ります(これは県全体の平均なので、耐震化が進んでいる地域と遅れている地域を平均しての数値です)。
国内の主要水道管の多くは50~60年ほど前に整備され、老朽化しています。こうなると地震が起きずとも、今後水道管の腐食等の破損で、地域一帯が断水になってしまう地域も発生してしまうように思えます。一方で、水道事業は各市町村の自治体に委ねられているため、小規模自治体や人口が減少している自治体は経済面の課題が伸し掛かります。
政府は令和10年までに水道管耐震適合率の全国平均を60%に引き上げるよう掲げていますが、それを実現するためには国単位での施策や補助金がなければ困難であるように思います。

こうしてまとめてみると、能登半島地震で浮き彫りになった水道インフラの課題は、決して他人事ではないことが分かります。
震災時、水道は私達の飲み水となり衛生環境を保つ手段となり、感染症も防ぎます。
病院や避難所となる施設など、ライフラインが絶たれないよう早い整備が実現してほしいと感じます。


(クマ子)