花きりんのブログ

滋賀県大津市で就労継続支援B型をしています「花きりん」です。日々の活動やメンバー、スタッフ共に今社会で何が起こっているのかの学び合いをしています。ホームページは、https://hanakirin20150401.wixsite.com/my-site

フランス、イスラムの「アバヤ」禁止!!

 こんにちは!両津です!

 

 今回は、フランス政府が9月の新学期から、公立学校でイスラム教徒の女性用長衣「アバヤ」の着用を禁止した事についてです。

 

 フランスでは2004年に、公立学校で「宗教シンボル」を排除する法律が施行され、イスラム教、ユダヤ教キリスト教などの様々な物が禁止されてきました。

 

 そして今回、政府は8月31日の通達で、イスラムの全身を覆う女性の伝統衣装「アバヤ」を禁止対象に追加、他にもイスラム男性が着る長衣「カミス」も対象にしていて、説得しても生徒が着用をやめない場合、学校が処罰できる様にしました。

 

 マクロン大統領は「わが国の公教育は政教分離が原則、宗教を示すものがあってはならない」と訴え、服装規制には、イスラム移民2世や3世が宗教で自己主張しようとするのを封じる狙いがありますが、「仏イスラム教評議会」(CFCM)が「宗教シンボルとみなすのは誤り」と抗議していて移民社会での着用は一般化しており、イスラム系フランス人から差別との反発が出ています。

 

 何故フランスでは、規制強化がされているかと言えば2つあり、1つは政教分離憲法で定めていて、その原点は19世紀にキリスト教会と結び付いていた王政を革命で打倒、義務教育からカトリック教会の影響を排除した法律にあり、今も学校の脱宗教化は共和国の基盤とみなされています。

 

 もう一つは19世紀半ばに、労働力不足を解消する為に移民を受入る政策をとってきましたが、中東からの移民が増加して国内のイスラム教徒の人口が増加し、社会統合も上手くいかず過激派のテロが頻発していて、国是である政教分離が脅かされているという不安があり世論調査では77%が「イスラム主義は国の脅威」と答えています。

 

 特に学校現場の危機感は強く、20年には、中学で預言者ムハンマドの風刺画を生徒に見せた教員がイスラム過激派に惨殺されるテロが起きていて、宗教を巡る校内トラブルは年々増加し、今年1~5月には2000件以上報告されています。

 

 このところ、校内でのアバヤ着用者が増えて教師と保護者間の緊張が強まってもいて、議論が再燃していて、今回の禁止に対し、共産党から極右まで保革野党の多くは支持を表明、左派は市民の自由の侵害、「宗教狩り」と主張しあっています。

 

 日本も移民の受入拡大を求める声がありますが、現状のフランスが抱えている問題が実際に起こる事を考えれば難しく、ウクライナ侵攻による影響、原発の処理水問題などがある中ではさらに経済が悪化していくので無理だと思う一方、移民は増加していっているのでそれにどう対応していけばいいかなと感じました。

 

 担当者 両津